2008年12月14日

ケイタイ依存症

奥田英朗さんの「イン・ザ・プール」(文芸春秋)を読んだ。
短編集であり、風変わりな精神科医・伊良部と医師の元に来る変な患者との交流を描いている。
この神科医の物語はいくつか作品がある。実際にこの本(文庫だが)も表題を含め5作が収録されている。
感想としてはまあまあと言った感じである。ページ数が少ないのでやや展開に欠けるといった印象であった。

その中で、個人的にはケイタイ依存症の高校生の話である「フレンズ」が印象的であった。ネタばれになるので詳しくは書かないが、一日に数百通メールを送信していて、親からケイタイ依存症を治すように言われている男子高校生が主人公。友人とのメールを返信しないと気が落ち着かないと言うから典型的ともいえる。
ちなみに作品が収録された単行本が出版されたのは2002年、やっと携帯電話が若い人に浸透して来た頃の話である。文中に「携帯が10円」と出てくるが、今となっては夢のような時代ではある。
その頃は携帯のパケット代も定額ではなく、カメラ付き機種も珍しかったと思う。勿論ケイタイ依存症の人も今より多くはなかったであろう。その頃からこのような作品を世に出していると言うことはひょっとして今のケイタイ産業の隆盛とそれに伴う副作用を既に予知していたのかもしれない。
そう考えると若者、特に中高生には読ませたい作品であると思う。なお、携帯のメールでしかつながっていない現在の若者の心理状況も捉えていてかなり興味深い。
posted by K.S at 17:45| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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